進行胆嚢癌に対する手術方針の検討 自験69症例を通して

過去15年間に経験した69症例の胆嚢癌を,5年ごとの3期に区分し分析し,以下の結果が得られた. 1)積極的な肝亜区域以上切除および膵頭十二指腸切除により切除率は,I期35%からIII期72%と上昇したが,術死例もI期0%からIII期9.1%と増加した. 2)術死例を減少させるためには,肝切除の範囲は可及的に亜区域(S5+S4下1/2)以下にとどめるべきである。3群リンパ節転移高度例の予後は不良であり,3群リンパ節転移高度例では膵頭十二指腸切除を付加してまでのリンパ節郭清はすべきではないと思われた. 3)CEAダブリングタイムが測定可能例では,ダブリングタイムが180日以上のslowgrowin...

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Published in胆道 Vol. 5; no. 1; pp. 49 - 59
Main Authors 渡部, 秀一, 佐々木, 幸則, 伊藤, 順造, 高倉, 一夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 1991
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando1987.5.1_49

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Summary:過去15年間に経験した69症例の胆嚢癌を,5年ごとの3期に区分し分析し,以下の結果が得られた. 1)積極的な肝亜区域以上切除および膵頭十二指腸切除により切除率は,I期35%からIII期72%と上昇したが,術死例もI期0%からIII期9.1%と増加した. 2)術死例を減少させるためには,肝切除の範囲は可及的に亜区域(S5+S4下1/2)以下にとどめるべきである。3群リンパ節転移高度例の予後は不良であり,3群リンパ節転移高度例では膵頭十二指腸切除を付加してまでのリンパ節郭清はすべきではないと思われた. 3)CEAダブリングタイムが測定可能例では,ダブリングタイムが180日以上のslowgrowing typeと判明した症例で肝膵同時合併切除による拡大手術の意義が高まるものと思われた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.5.1_49