低魚粉飼料によるニジマス浮上稚魚の餌付け

魚粉65%の飼料(FMD)を対照として,植物性原料の配合により魚粉を5%に削減した低魚粉飼料(LFMD)でニジマス浮上稚魚(対照群と低魚粉飼料選抜群,体重0.1 g)を餌付けして3週間飼育し,成長,生残および全魚体成分に及ぼす影響を検討した。両飼料とも対照群に比べ選抜群の成長がやや優れる傾向がみられたが,LFMD 区の成長は FMD 区より劣った。一方,生残率は各区とも99%と高かった。全魚体の粗タンパク質含量に差はなかったが,LFMD 区ではタウリンと遊離ヒスチジンが少なく,アンセリンとカルノシンが多かった。粗脂肪および極性脂質含量にも差はなかったが,極性脂質の EPA と DHA は LF...

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Published in水産増殖 Vol. 68; no. 3; pp. 211 - 220
Main Authors 山本, 剛史, 松成, 宏之, 古板, 博文, 三浦, 正之, 小澤, 諒, 岡崎, 巧, 奥, 宏海, 村下, 幸司, 吉永, 葉月
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本水産増殖学会 2020
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Summary:魚粉65%の飼料(FMD)を対照として,植物性原料の配合により魚粉を5%に削減した低魚粉飼料(LFMD)でニジマス浮上稚魚(対照群と低魚粉飼料選抜群,体重0.1 g)を餌付けして3週間飼育し,成長,生残および全魚体成分に及ぼす影響を検討した。両飼料とも対照群に比べ選抜群の成長がやや優れる傾向がみられたが,LFMD 区の成長は FMD 区より劣った。一方,生残率は各区とも99%と高かった。全魚体の粗タンパク質含量に差はなかったが,LFMD 区ではタウリンと遊離ヒスチジンが少なく,アンセリンとカルノシンが多かった。粗脂肪および極性脂質含量にも差はなかったが,極性脂質の EPA と DHA は LFMD 区で少なかった。一方,LFMD 区では灰分,Ca,P および Zn の含量が低かった。今回の結果から,植物性原料主体の低魚粉飼料でのニジマスの餌付けは可能であるが,いくつかの栄養素を強化する必要性が示唆された。
ISSN:0371-4217
2185-0194
DOI:10.11233/aquaculturesci.68.211