サービス・フロントライン従業員の創造性に関する研究の現状と今後の課題

サービス提供企業と享受者(顧客)との接点となる,サービス・フロントラインで働く従業員が接する顧客のニーズは,多岐にわたる。この異質性への対応というサービス・フロントラインの課題を踏まえると,各顧客のユニークなニーズへの対応の必要があり,品質の標準化に基づく定型的な提案だけではなく,パーソナライズされた創造的な提案が求められる。サービス・フロントラインにおいて創造性を発揮する従業員は,顧客の潜在的ニーズを発見し,顧客の抱える課題を独自の対応で効果的に解決し,優れた顧客経験を生み出すことで,顧客との長期的な関係を築くことに貢献する。本稿では,サービス・フロントライン従業員を対象とし,創造性研究にお...

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Published inマーケティングジャーナル Vol. 39; no. 1; pp. 88 - 96
Main Author 瀨良, 兼司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本マーケティング学会 28.06.2019
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ISSN0389-7265
2188-1669
DOI10.7222/marketing.2019.027

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Summary:サービス提供企業と享受者(顧客)との接点となる,サービス・フロントラインで働く従業員が接する顧客のニーズは,多岐にわたる。この異質性への対応というサービス・フロントラインの課題を踏まえると,各顧客のユニークなニーズへの対応の必要があり,品質の標準化に基づく定型的な提案だけではなく,パーソナライズされた創造的な提案が求められる。サービス・フロントラインにおいて創造性を発揮する従業員は,顧客の潜在的ニーズを発見し,顧客の抱える課題を独自の対応で効果的に解決し,優れた顧客経験を生み出すことで,顧客との長期的な関係を築くことに貢献する。本稿では,サービス・フロントライン従業員を対象とし,創造性研究における蓄積を手掛かりとしながら,サービス・フロントライン従業員の役割や従事する職場を考慮したうえで,サービス・フロントライン従業員の創造性に関する研究の現状と今後の課題を提示する。
ISSN:0389-7265
2188-1669
DOI:10.7222/marketing.2019.027