二元合金における熱平衡表面偏析

二元合金における表面偏析の理論と実験の発展を,まとめて取り上げようと試みた.表面偏析の駆動力としては,表面における切断結合ボンドによる表面エネルギー,原子半径の違いに由来するひずみエネルギーおよび,混合熱が主たるものである.これらを組み合わせたさまざまな理論が考えられていて,定性的な実験結果との一致は悪くない. 1975年以来,表面分析法の発展に伴い,一応信頼できる実験結果が,主にオージェ電子分光法により得られている,最近になり,原子プローブ電界イオン顕微鏡法や走査トンネル顕微鏡などの新しい手法が,表面分析の研究に応用され始めていて,表面偏析の理解にも発展が期待される....

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Bibliographic Details
Published in応用物理 Vol. 56; no. 8; pp. 1000 - 1013
Main Authors 桜井, 利夫, 橋詰, 富博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 応用物理学会 1987
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ISSN0369-8009
2188-2290
DOI10.11470/oubutsu1932.56.1000

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Summary:二元合金における表面偏析の理論と実験の発展を,まとめて取り上げようと試みた.表面偏析の駆動力としては,表面における切断結合ボンドによる表面エネルギー,原子半径の違いに由来するひずみエネルギーおよび,混合熱が主たるものである.これらを組み合わせたさまざまな理論が考えられていて,定性的な実験結果との一致は悪くない. 1975年以来,表面分析法の発展に伴い,一応信頼できる実験結果が,主にオージェ電子分光法により得られている,最近になり,原子プローブ電界イオン顕微鏡法や走査トンネル顕微鏡などの新しい手法が,表面分析の研究に応用され始めていて,表面偏析の理解にも発展が期待される.
ISSN:0369-8009
2188-2290
DOI:10.11470/oubutsu1932.56.1000