左冠状動脈前下行枝囊状瘤に対し瘤縫縮術を施行した1 例
症例は84 歳,男性.9 年前より左前下行枝近位部に冠状動脈瘤を認め,当院循環器内科にてフォローされていたが,冠状動脈CT にて瘤径13.5×9.5 mm と次第に拡大傾向を認めたため,入院精査となった.冠状動脈造影にて#5:50%狭窄,#6:90%狭窄,瘤径10.8×10.2 mm の冠状動脈瘤を認めた.胸部症状を有し,冠状動脈の有意狭窄を伴い,瘤径が対照血管径の3 倍以上であるため,破裂および塞栓症の危険性を考慮し,手術適応と判断し,心拍動下冠状動脈バイパス術2 枝(左内胸動脈第1 対角枝左前下行枝)および瘤縫縮術を施行した.腹部大動脈瘤および左総腸骨動脈閉塞に対しては,二期的にステントグ...
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Published in | 日本冠疾患学会雑誌 Vol. 22; no. 1; pp. 24 - 27 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本冠疾患学会
2015
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Subjects | |
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ISSN | 1341-7703 2187-1949 |
DOI | 10.7793/jcoron.21.15-00016 |
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Summary: | 症例は84 歳,男性.9 年前より左前下行枝近位部に冠状動脈瘤を認め,当院循環器内科にてフォローされていたが,冠状動脈CT にて瘤径13.5×9.5 mm と次第に拡大傾向を認めたため,入院精査となった.冠状動脈造影にて#5:50%狭窄,#6:90%狭窄,瘤径10.8×10.2 mm の冠状動脈瘤を認めた.胸部症状を有し,冠状動脈の有意狭窄を伴い,瘤径が対照血管径の3 倍以上であるため,破裂および塞栓症の危険性を考慮し,手術適応と判断し,心拍動下冠状動脈バイパス術2 枝(左内胸動脈第1 対角枝左前下行枝)および瘤縫縮術を施行した.腹部大動脈瘤および左総腸骨動脈閉塞に対しては,二期的にステントグラフト内挿術,大腿大腿動脈バイパス術を行う方針とした.術後経過は良好で,術後造影でグラフトの開存と瘤の消失を確認し,術後27 日目自宅退院となった. |
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ISSN: | 1341-7703 2187-1949 |
DOI: | 10.7793/jcoron.21.15-00016 |