2024年度岩手県小松洞穴遺跡発掘調査概要報告

本稿は、2024年4月27日から5月4日まで行われた、岩手県住田町小松洞穴遺跡発掘調査の概要報告である。本調査では、弥生時代人骨の発見を目指して、小松洞穴第1洞口の洞内1m×2mの範囲の発掘調査を実施した。調査では発掘区の東側に近現代以降の人為的撹乱土坑が確認され、この土坑内から散乱人骨、縄文中期後半~晩期後半の土器、動物骨、石器などが出土した。人骨は撹乱を受けており、年代等は不確定であるが、少なくとも3個体以上存在する。本調査で出土した人骨の存在と、弥生中期の表採人骨が存在することから、第1洞口内に墓域がする可能性は依然として高く、今後撹乱の影響が確認されなかった洞内西側の調査を計画している...

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Published in新潟医療福祉学会誌 Vol. 24; no. 3; pp. 56 - 65
Main Authors 澤田, 純明, 萩原, 康雄, 奈良, 貴史, 古澤, 妥史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 新潟医療福祉学会 2025
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ISSN1346-8774
2435-9777
DOI10.34540/niigatajohewewa.24.3_56

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Summary:本稿は、2024年4月27日から5月4日まで行われた、岩手県住田町小松洞穴遺跡発掘調査の概要報告である。本調査では、弥生時代人骨の発見を目指して、小松洞穴第1洞口の洞内1m×2mの範囲の発掘調査を実施した。調査では発掘区の東側に近現代以降の人為的撹乱土坑が確認され、この土坑内から散乱人骨、縄文中期後半~晩期後半の土器、動物骨、石器などが出土した。人骨は撹乱を受けており、年代等は不確定であるが、少なくとも3個体以上存在する。本調査で出土した人骨の存在と、弥生中期の表採人骨が存在することから、第1洞口内に墓域がする可能性は依然として高く、今後撹乱の影響が確認されなかった洞内西側の調査を計画している。
ISSN:1346-8774
2435-9777
DOI:10.34540/niigatajohewewa.24.3_56