Thromboelastometry(ROTEM®)により早期に凝固異常を察知し, 輸血治療を行った産科大量出血の1例
Thromboelastometry(ROTEM®)は血液弾性粘稠度検査であり,5~20分程度で凝固線溶障害の有無を診断することができる。症例は35歳女性。妊娠39週。分娩直後から出血が持続し,子宮止血用バルーンを留置。Shock Index 1.6のため当院救命救急センターに搬送となった。当院到着時には循環動態は安定していたが,測定5分後のFIBTEM値の著明な低下から高度の凝固障害を疑い,速やかにFFP及びフィブリノゲン製剤の投与を開始した。血液検査でも著明な凝固障害を認め,羊水塞栓症やDIC型後産期出血の可能性が考えられた。ROTEM®は速やかに輸血戦略を決定する上で有効と考える。...
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Published in | 蘇生 Vol. 40; no. 2; pp. 69 - 72 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本蘇生学会
29.09.2021
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0288-4348 1884-748X |
DOI | 10.11414/jjreanimatology.40.2_69 |
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Summary: | Thromboelastometry(ROTEM®)は血液弾性粘稠度検査であり,5~20分程度で凝固線溶障害の有無を診断することができる。症例は35歳女性。妊娠39週。分娩直後から出血が持続し,子宮止血用バルーンを留置。Shock Index 1.6のため当院救命救急センターに搬送となった。当院到着時には循環動態は安定していたが,測定5分後のFIBTEM値の著明な低下から高度の凝固障害を疑い,速やかにFFP及びフィブリノゲン製剤の投与を開始した。血液検査でも著明な凝固障害を認め,羊水塞栓症やDIC型後産期出血の可能性が考えられた。ROTEM®は速やかに輸血戦略を決定する上で有効と考える。 |
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ISSN: | 0288-4348 1884-748X |
DOI: | 10.11414/jjreanimatology.40.2_69 |