ユーザー創造製品の発案者効果
企業の新製品開発プロセスに参加するユーザー(消費者)が増えている。企業はユーザーから製品アイデアを得るだけでなく,ユーザーのアイデアから生まれた製品であるという情報を表示することで,その表示を見た消費者の購買意向を高めることが可能である。本稿では,製品アイデアの発案者が企業ではなくユーザーであることを明示することで,消費者が購買の意思決定に影響を与える効果を「発案者効果(Originator Effect)」と名付け,その既存研究を整理する。発案者効果の既存研究は,以下の2つの潮流,すなわち(1)発案者効果の背景を探る「媒介要因研究」,(2)発案者効果が失われる条件を探る「境界条件研究」に分類...
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Published in | マーケティングジャーナル Vol. 39; no. 2; pp. 61 - 67 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本マーケティング学会
27.09.2019
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Subjects | |
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ISSN | 0389-7265 2188-1669 |
DOI | 10.7222/marketing.2019.038 |
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Summary: | 企業の新製品開発プロセスに参加するユーザー(消費者)が増えている。企業はユーザーから製品アイデアを得るだけでなく,ユーザーのアイデアから生まれた製品であるという情報を表示することで,その表示を見た消費者の購買意向を高めることが可能である。本稿では,製品アイデアの発案者が企業ではなくユーザーであることを明示することで,消費者が購買の意思決定に影響を与える効果を「発案者効果(Originator Effect)」と名付け,その既存研究を整理する。発案者効果の既存研究は,以下の2つの潮流,すなわち(1)発案者効果の背景を探る「媒介要因研究」,(2)発案者効果が失われる条件を探る「境界条件研究」に分類して整理できる。また,発案者効果研究の発展のため,今後の研究課題として,(1)媒介要因研究の課題,(2)境界条件研究の課題,(3)両研究における研究方法の課題を提示した。 |
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ISSN: | 0389-7265 2188-1669 |
DOI: | 10.7222/marketing.2019.038 |