頭頸部手術の術後出血に対する再手術時の麻酔の検討

当院における頭頸部手術の術後出血に対する再手術時の麻酔について検討した。2006年1月1日から2009年6月30日までの間に,当院で行われた麻酔科管理症例のうち,開頭術を除いた頭頸部手術術後で,出血のため緊急で再手術が行われた患者を対象とした。検討項目は1回目の手術室退出から再入室までの時間,麻酔導入および維持の方法,気管挿管の難易度などとした。該当症例は6例で,1回目の麻酔では問題なかった。再入室時間は,4例では5時間前後,再手術時の麻酔導入は,通常の導入が4例,筋弛緩薬を使用する前に喉頭展開したものが1例,意識下挿管が1例で,いずれも問題なかった。気道に影響を及ぼす付近の出血による再手術時...

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Published in蘇生 Vol. 31; no. 2; pp. 57 - 62
Main Authors 飯田, 裕司, 五十洲, 剛, 細野, 敦之, 小原, 伸樹, 大橋, 智, 村川, 雅洋, 中野, 裕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本蘇生学会 2012
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ISSN0288-4348
1884-748X
DOI10.11414/jjreanimatology.31.57

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Summary:当院における頭頸部手術の術後出血に対する再手術時の麻酔について検討した。2006年1月1日から2009年6月30日までの間に,当院で行われた麻酔科管理症例のうち,開頭術を除いた頭頸部手術術後で,出血のため緊急で再手術が行われた患者を対象とした。検討項目は1回目の手術室退出から再入室までの時間,麻酔導入および維持の方法,気管挿管の難易度などとした。該当症例は6例で,1回目の麻酔では問題なかった。再入室時間は,4例では5時間前後,再手術時の麻酔導入は,通常の導入が4例,筋弛緩薬を使用する前に喉頭展開したものが1例,意識下挿管が1例で,いずれも問題なかった。気道に影響を及ぼす付近の出血による再手術時の麻酔では,その麻酔導入には十分な注意が必要である。口腔内に新鮮な出血があるか,頸部腫脹で気道が圧迫されて呼吸困難があるかなどは,麻酔の導入方法を決める上で重要なポイントである。それに加えて,いつでも外科的気道確保ができる体制で,麻酔を導入すべきである。
ISSN:0288-4348
1884-748X
DOI:10.11414/jjreanimatology.31.57