血清中テオフィリン濃度測定におけるVision®法と蛍光偏光免疫測定法との比較

ベッドサイドで微量の全血試料によりテオフィリン血中濃度測定が可能なVision®を用いて,測定値精度並びに妨害物質の影響について蛍光偏光免疫測定法(TDX®)と比較検討した.気管支ぜん息患者より採血した85検体をVision®並びにTDX®によりテオフィリン血中濃度を測定したところ良い相関性を示した.又,総ビリルビン(T-Bil),中性脂肪(TG),ヘモグロビン(Hb)による測定上の影響についても検討したところ,T-Bilでは17.2mg/dl以上,Hbでは3g/dl以上になると,Vision®ではテオフィリンの測定は不可能となり,又,TGが950mg/dl以上になると測定値に有意な誤差が生じ...

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Published in分析化学 Vol. 38; no. 11; pp. T179 - T182
Main Authors 飯野, 幸永, 吉岡, 優子, 伊佐野, 京子, 倉品, 修平, 村田, 正弘, 中原, 保裕, 中川, 恵理
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 01.11.1989
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.38.11_T179

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Summary:ベッドサイドで微量の全血試料によりテオフィリン血中濃度測定が可能なVision®を用いて,測定値精度並びに妨害物質の影響について蛍光偏光免疫測定法(TDX®)と比較検討した.気管支ぜん息患者より採血した85検体をVision®並びにTDX®によりテオフィリン血中濃度を測定したところ良い相関性を示した.又,総ビリルビン(T-Bil),中性脂肪(TG),ヘモグロビン(Hb)による測定上の影響についても検討したところ,T-Bilでは17.2mg/dl以上,Hbでは3g/dl以上になると,Vision®ではテオフィリンの測定は不可能となり,又,TGが950mg/dl以上になると測定値に有意な誤差が生じるという結果が得られ,通常の状態では問題がないことが分かった.従って,血中テオフィリン濃度測定に対してのVision®の有用性は高いものと考えられた.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.38.11_T179