徐放性プロゲステロン膣坐剤 第 2 報:開発と評価
「緒言」 本研究の主薬である黄体ホルモン(プロゲステロン Progesterone)は妊娠の成立維持に重要なホルモンであり, 黄体機能不全に伴う不妊症, 特に体外受精(IVF)時の黄体補充療法としての投与はきわめて有用である1). 現在, 市販剤形の問題点を考慮し, 経膣投与が行われている2,3). 膣坐剤は市販の投与剤形としては存在しないため, 各施設での院内製剤となる. これまで著者らは, 院内製剤の現状4)と問題点を示し5), 院内製剤としての星ヶ丘マタニティ病院(以下, 当院と略す)調製プロゲステロン200mg膣坐剤(既存坐剤)の製剤学上の基礎的な評価を行うとともに, 健常成人女性にお...
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Published in | 医療薬学 Vol. 35; no. 5; pp. 343 - 350 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
2009
日本医療薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.35.343 |
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Summary: | 「緒言」 本研究の主薬である黄体ホルモン(プロゲステロン Progesterone)は妊娠の成立維持に重要なホルモンであり, 黄体機能不全に伴う不妊症, 特に体外受精(IVF)時の黄体補充療法としての投与はきわめて有用である1). 現在, 市販剤形の問題点を考慮し, 経膣投与が行われている2,3). 膣坐剤は市販の投与剤形としては存在しないため, 各施設での院内製剤となる. これまで著者らは, 院内製剤の現状4)と問題点を示し5), 院内製剤としての星ヶ丘マタニティ病院(以下, 当院と略す)調製プロゲステロン200mg膣坐剤(既存坐剤)の製剤学上の基礎的な評価を行うとともに, 健常成人女性における各種体内動態を調べ, 注射剤の投与部位別の比較とともに既存坐剤の有効性を検討した6,7). しかし一方で, 既存坐剤は半減期が短いため, 血中濃度を一定に保つことが難しく, また, 投与後の血中濃度の急激な立ち上がりによる副作用も考えられた. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.35.343 |