尿路感染症領域におけるglanulocyte colony stimulating factorの臨床応用 経尿道的前立腺切除術後尿路感染症予防効果の検討

Granulocyte colony stimulating factor (G-CSF) の尿路感染症治療への応用性を評価する目的で, G-CSFの経尿道的前立腺切除術 (TUR-P) 後の尿路感染症予防効果について検討した。TUR-P後の尿路感染症の診断基準は、尿沈渣で膿球10個/1視野かつ尿培養検査でGNR≧103cfu/mlまたはGPC≧104cfu/mlとして臨床成績を検討した。術開始時の抗生剤1回投与に加えて, 術前日からlenograstim (中外製薬) を5日間投与したStudy Aにおいては術後感染症発症率はG-CSF投与群で33.3% (3/9), 非投与群で37.5%...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 43; no. 4; pp. 457 - 461
Main Authors 近藤, 捷嘉, 朝日, 俊彦, 大森, 弘之, 畠, 和宏, 片山, 泰弘, 公文, 裕巳, 赤枝, 輝明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 25.04.1995
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.43.457

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Summary:Granulocyte colony stimulating factor (G-CSF) の尿路感染症治療への応用性を評価する目的で, G-CSFの経尿道的前立腺切除術 (TUR-P) 後の尿路感染症予防効果について検討した。TUR-P後の尿路感染症の診断基準は、尿沈渣で膿球10個/1視野かつ尿培養検査でGNR≧103cfu/mlまたはGPC≧104cfu/mlとして臨床成績を検討した。術開始時の抗生剤1回投与に加えて, 術前日からlenograstim (中外製薬) を5日間投与したStudy Aにおいては術後感染症発症率はG-CSF投与群で33.3% (3/9), 非投与群で37.5% (3/8), また術後2日目から5日間投与したStudy BにおいてはG-CSF投与群で21.1% (4/19), 非投与群で46.7% (7/15) となっていた。術後感染症発症例よりの尿中分離菌のなかで尿路感染症として問題となるGNRの頻度は, G-CSF投与群では28.6%, 非投与群では60%であった。なお, G-CSF投与群における臨床的副作用については, 一過性の奪麻疹を1例に認めたのみであった。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.43.457