イヌ用総合栄養食における総タウリン含量分析の検討

我々が以前行った市販イヌ用総合栄養食における遊離低分子代謝物質濃度の網羅的半定量分析から、製品間において顕著な含量の差異が生じる代謝物質としてタウリンが同定された。動物中に存在するタウリンは、遊離型だけでなく結合型の存在も認められており、ペットフード中のタウリンはこれらを合わせた総タウリンとして求めることが推奨されている。一方で、ペットフードの材料となる食肉では遊離型が9割以上であり結合型を考慮しなくてよいとする意見も認められる。これらに基づき、本研究ではイヌ用総合栄養食における総タウリン含量分析の検討を行った。イヌ用総合栄養食3種類を粉末化して等量混合および加水分解処理後のタウリン含量を求め...

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Published inペット栄養学会誌 Vol. 28; no. Suppl; pp. suppl_25 - suppl_26
Main Authors 上迫 のどか, 山本 未羽, 川瀬 貴博, 近都 夏望, 白石 純一, 友永 省三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペット栄養学会 30.06.2025
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ISSN1344-3763
2185-7601
DOI10.11266/jpan.28.Suppl_suppl_25

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Summary:我々が以前行った市販イヌ用総合栄養食における遊離低分子代謝物質濃度の網羅的半定量分析から、製品間において顕著な含量の差異が生じる代謝物質としてタウリンが同定された。動物中に存在するタウリンは、遊離型だけでなく結合型の存在も認められており、ペットフード中のタウリンはこれらを合わせた総タウリンとして求めることが推奨されている。一方で、ペットフードの材料となる食肉では遊離型が9割以上であり結合型を考慮しなくてよいとする意見も認められる。これらに基づき、本研究ではイヌ用総合栄養食における総タウリン含量分析の検討を行った。イヌ用総合栄養食3種類を粉末化して等量混合および加水分解処理後のタウリン含量を求めた結果、加水分解の加熱時間依存的にタウリン含量が増加した。また、総タウリン中に結合型は約4割存在することが推測された。以上より、市販イヌ用総合栄養食における総タウリンにおいて、結合型のタウリンはある程度存在し、タウリン栄養の観点から考慮する必要性が示唆された。
ISSN:1344-3763
2185-7601
DOI:10.11266/jpan.28.Suppl_suppl_25