一般的な栄養添加物を使用しない国産“無添加”ドッグフードの実態

一般的な栄養添加物を使用せず、手作り食に近い原材料のみで製造された国産のドッグフードが流行している。これらのフードは栄養バランスに問題ないとホームページ上に記載されている。本研究では、これらのフードを対象に、栄養成分分析を実施し、「分析試験」におけるAAFCOの養分基準と比較した。検査項目として、手作り食で不足しやすい「亜鉛・銅・カルシウム・リン」の4項目を測定した。7製品中2製品は陽性対照とした。対象とした5製品において、亜鉛は4製品、銅は3製品、カルシウムは1製品、リンは2製品でAAFCOの養分基準に足りていなかった。2製品ではカルシウムリン比も基準外であった。1製品については製造ロットに...

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Published inペット栄養学会誌 Vol. 27; no. Suppl; pp. suppl_31 - suppl_32
Main Authors 辻本, 綾子, 辻本, 義和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペット栄養学会 30.06.2024
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Summary:一般的な栄養添加物を使用せず、手作り食に近い原材料のみで製造された国産のドッグフードが流行している。これらのフードは栄養バランスに問題ないとホームページ上に記載されている。本研究では、これらのフードを対象に、栄養成分分析を実施し、「分析試験」におけるAAFCOの養分基準と比較した。検査項目として、手作り食で不足しやすい「亜鉛・銅・カルシウム・リン」の4項目を測定した。7製品中2製品は陽性対照とした。対象とした5製品において、亜鉛は4製品、銅は3製品、カルシウムは1製品、リンは2製品でAAFCOの養分基準に足りていなかった。2製品ではカルシウムリン比も基準外であった。1製品については製造ロットによる差も評価したが、同様の結果であった。以上の結果から、一般的な栄養添加物を使用しないドッグフードの中には分析試験によるAAFCOの養分基準を満たさないものがあった。これらのフードを長期間給餌されたイヌの健康にどのような影響があるかはこれからの課題である。
ISSN:1344-3763
2185-7601
DOI:10.11266/jpan.27.Suppl_suppl_31