ASEAN災害医療連携強化プロジェクトの活動報告(続報)

2016年に「ASEAN災害医療連携強化プロジェクト」が開始され、最初の3年間の成果を本誌に報告した。本稿はその続報として、2019年から2021年(以下延長フェーズ)の成果を報告する。2017年に「災害医療に係るASEAN首脳宣言」が採択され、延長フェーズでは、この宣言を2025年までに具体化する行動計画を立案し、それを推進する委員会の設立、地域連携演習をASEAN加盟国が持ち回りで実施する仕組み・手順の確立などのほか、災害医療に係る教育研究機関が参加する学術ネットワークの設立を支援し、ASEAN災害医療学術国際会議の開催や、災害医療に関する研修コースの標準カリキュラムの開発を行った。また継...

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Published in日本災害医学会雑誌 Vol. 28; no. 3; pp. 115 - 123
Main Authors 髙田, 洋介, 池田, 修一, 喜田, たろう, 勝部, 司, 夏川, 知輝, 甲斐, 聡一朗, 久保, 達彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本災害医学会 24.12.2023
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Summary:2016年に「ASEAN災害医療連携強化プロジェクト」が開始され、最初の3年間の成果を本誌に報告した。本稿はその続報として、2019年から2021年(以下延長フェーズ)の成果を報告する。2017年に「災害医療に係るASEAN首脳宣言」が採択され、延長フェーズでは、この宣言を2025年までに具体化する行動計画を立案し、それを推進する委員会の設立、地域連携演習をASEAN加盟国が持ち回りで実施する仕組み・手順の確立などのほか、災害医療に係る教育研究機関が参加する学術ネットワークの設立を支援し、ASEAN災害医療学術国際会議の開催や、災害医療に関する研修コースの標準カリキュラムの開発を行った。また継続して地域連携演習を開催しながら、新たに各国緊急医療チームの「包括的チーム情報」の活用および「医療の質の確認のための現場訪問」の試行を取り入れた。このように進化をしながら地域単位で能力連携強化に取り組んでいる点は世界的にも先進的である。
ISSN:2189-4035
2434-4214
DOI:10.51028/jjdisatmed.28.3_115