マダイ Pagrus major 稚魚用飼料における魚粉代替源としてのサメミールの利用性

本研究では,マダイ稚魚用飼料における魚粉(FM)の代替としてのサメミール(SM)の利用性とともに,環境へのリン(P)負荷に対する影響を調査した。FM を主タンパク質源とする対照飼料(C),Cに含まれる FM タンパク質の25,50,75,100%を SM で代替した飼料,それぞれ SF25,SF50,SF75 および SF100,計5試験飼料を調製した。10週間飼育後,SM100の飼育成績が他の試験区より有意に劣ったが,C,SM25,SM50,SM75の飼育成績に有意差は見られなかった。日間給餌率と飼料中の SM レベルの間には,強い負の直線相関(R2 = 0.9092)が観察された。タンパク...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in水産増殖 Vol. 72; no. 1; pp. 69 - 81
Main Authors 高杉, 祐介, ビッシャシュ, アマル, 中山, 大輔, 沖村, 智, 田中, 秀樹
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本水産増殖学会 2024
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0371-4217
2185-0194
DOI10.11233/aquaculturesci.72.69

Cover

More Information
Summary:本研究では,マダイ稚魚用飼料における魚粉(FM)の代替としてのサメミール(SM)の利用性とともに,環境へのリン(P)負荷に対する影響を調査した。FM を主タンパク質源とする対照飼料(C),Cに含まれる FM タンパク質の25,50,75,100%を SM で代替した飼料,それぞれ SF25,SF50,SF75 および SF100,計5試験飼料を調製した。10週間飼育後,SM100の飼育成績が他の試験区より有意に劣ったが,C,SM25,SM50,SM75の飼育成績に有意差は見られなかった。日間給餌率と飼料中の SM レベルの間には,強い負の直線相関(R2 = 0.9092)が観察された。タンパク質および脂質の蓄積率に有意な区間差が見られなかったが,SM 飼料におけるリン蓄積率が有意に増加し,環境へのリン負荷量が有意に減少した。以上の結果から,成長成績および健康を損なうことなく,FM タンパク質の75%を SM で代替できることが示唆された。さらに,P 負荷が有意に減少したことから,SM 飼料による環境負荷を低減した持続可能な養殖が可能であることが示唆された。
ISSN:0371-4217
2185-0194
DOI:10.11233/aquaculturesci.72.69