卒業前に二次救命処置のシミュレーション研修を受講した看護学生の不安と自己効力感の変化およびその関連

目的:患者急変時に必要な看護技術の手技や手順を再確認した上で二次救命処置(Advanced Life Support;ALS)を要するシナリオで構成されたシミュレーション研修を受講した卒業前の看護学生の不安と自己効力感の変化とその関連を明らかにする。方法:中部地区の2施設の看護系大学に所属する4年生を対象に研修会を開催し、研修前後における状態不安と自己効力感について選択式質問紙調査を行った。研修前後の状態不安と自己効力感の得点についてWilcoxonの符号付順位検定を行った。状態不安と自己効力感との関連についてSpearmanの順位相関係数を算出した。結果:状態不安の得点は、研修前が43.0(...

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Published in日本シミュレーション医療教育学会雑誌 Vol. 12; pp. 22 - 28
Main Authors 田中, 美帆, 大屋, 富彦, 山本, 司, 田口, 博子, 江㞍, 晴美, 中山, 奈津紀, 森, 幸弘, 荒川, 尚子, 三輪, 美紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本シミュレーション医療教育学会 2024
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ISSN2187-9281
2436-4452
DOI10.50950/jasehp.2024-12-03

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Summary:目的:患者急変時に必要な看護技術の手技や手順を再確認した上で二次救命処置(Advanced Life Support;ALS)を要するシナリオで構成されたシミュレーション研修を受講した卒業前の看護学生の不安と自己効力感の変化とその関連を明らかにする。方法:中部地区の2施設の看護系大学に所属する4年生を対象に研修会を開催し、研修前後における状態不安と自己効力感について選択式質問紙調査を行った。研修前後の状態不安と自己効力感の得点についてWilcoxonの符号付順位検定を行った。状態不安と自己効力感との関連についてSpearmanの順位相関係数を算出した。結果:状態不安の得点は、研修前が43.0(34.0-49.0)で研修後に32.5(27.0-38.0)へと低下した(p < 0.001)。自己効力感の得点は、研修前が48.0(40.0-59.0)で研修後に51.0(43.0-62.0)へと上昇した(p < 0.001)。状態不安と自己効力感との間には負の相関を認めた(ρ = ‐0.429,p < 0.01)。考察:参加者は落ち着いた心理状態で研修に参加することができ、参加後の状態不安は軽減し、自己効力感は高まることが確認された。このことから、今回のようなALSのシミュレーション教育は、就職を目前に控えた看護学生に対して不安の軽減と自己効力感の向上に資する可能性が示唆された。
ISSN:2187-9281
2436-4452
DOI:10.50950/jasehp.2024-12-03