4 粒子線がん治療用加速器

粒子線がん治療に用いられる加速器は,腫瘍に到達する25~30cmの体内飛程に相当するエネルギーとして,陽子で230MeV,炭素イオンで400MeV/u程度まで加速可能な円形加速器である。陽子線にはLoma Linda大学の構成に基づくシンクロトロンや,連続ビームで高い線量率が得られるサイクロトロンが利用される。重粒子線(炭素イオン線)には,放射線医学総合研究所のHIMACの各要素を小型化した小型炭素イオン線加速器が日本国内で普及し始めている。将来の更なる小型化の要求に対して,超電導による強磁場を利用した小型化や,レーザ加速による飛躍的な小型化の研究が進んでいる。...

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Published inRADIOISOTOPES Vol. 64; no. 6; pp. 382 - 387
Main Authors 鳥飼, 幸太, 想田, 光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本アイソトープ協会 2015
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Summary:粒子線がん治療に用いられる加速器は,腫瘍に到達する25~30cmの体内飛程に相当するエネルギーとして,陽子で230MeV,炭素イオンで400MeV/u程度まで加速可能な円形加速器である。陽子線にはLoma Linda大学の構成に基づくシンクロトロンや,連続ビームで高い線量率が得られるサイクロトロンが利用される。重粒子線(炭素イオン線)には,放射線医学総合研究所のHIMACの各要素を小型化した小型炭素イオン線加速器が日本国内で普及し始めている。将来の更なる小型化の要求に対して,超電導による強磁場を利用した小型化や,レーザ加速による飛躍的な小型化の研究が進んでいる。
ISSN:0033-8303
1884-4111
DOI:10.3769/radioisotopes.64.382