COVID–19拡大時の双方向ビデオ実習の取り組みにおける看護大学生の学習成果

本研究は、看護大学生(以下、学生とする)と臨地実習中に受け持つ子ども(以下、受持ち児とする)に対し、臨地実習指導者(以下、指導者とする)が行ったビデオを用いた実習(以下、双方向ビデオ実習とする)の取り組みに関する学生の学習成果を明らかにすることを目的とした。研究対象者は、本実習に関わった学生5人とし、実習後のレポートを質的に内容分析した。結果、実習後のレポートから、学生のビデオ実習の看護過程を行い学んだこととして、受持ち児の様子やサインに気付く、1日の生活内容の理解など【受持ち児の個別性の理解の深まり】、個別性に合わせた計画を考え、評価や修正をすることができたなど【受持ち児を中心に考えた看護過...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本シミュレーション医療教育学会雑誌 Vol. 12; pp. 43 - 50
Main Authors 松村, 久美, 河野, 麻希, 中村, 千鶴子, 吉村, 裕三恵, 中村, 加奈子, 木村, 茂, 渡辺, まゆみ, 谷口, 初美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本シミュレーション医療教育学会 2024
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2187-9281
2436-4452
DOI10.50950/jasehp.2024-12-06

Cover

More Information
Summary:本研究は、看護大学生(以下、学生とする)と臨地実習中に受け持つ子ども(以下、受持ち児とする)に対し、臨地実習指導者(以下、指導者とする)が行ったビデオを用いた実習(以下、双方向ビデオ実習とする)の取り組みに関する学生の学習成果を明らかにすることを目的とした。研究対象者は、本実習に関わった学生5人とし、実習後のレポートを質的に内容分析した。結果、実習後のレポートから、学生のビデオ実習の看護過程を行い学んだこととして、受持ち児の様子やサインに気付く、1日の生活内容の理解など【受持ち児の個別性の理解の深まり】、個別性に合わせた計画を考え、評価や修正をすることができたなど【受持ち児を中心に考えた看護過程の展開ができた実感】、受持ち児の特徴に合わせた安全の環境や強みを活かした看護を行うなど【受持ち児の個性と強みを活かした看護の理解】、受持ち児に愛着を持ち実習の喜びにつながったなど【実習の充実感を味わう】の4カテゴリーが抽出された。これらのことから、双方向ビデオ実習は、対面で行う実習同様、学生の看護過程の一連のプロセスの理解に繋がり、具体的な個別性のある看護を考えていた。また、実習の難しさ、嬉しさなど様々な感性も育み、COVID-19拡大で病棟に実習に行くことができない場合の方法の一つとして効果的であった。
ISSN:2187-9281
2436-4452
DOI:10.50950/jasehp.2024-12-06