病院で働く女性のスタッフ看護職の個人・看護単位レベルの要因と妊娠出産意欲との関連 階層モデル分析による検証

目的:病院で働く女性のスタッフ看護職を対象として,個人レベルの要因および看護単位レベルの要因と,現在の看護単位に所属している間の妊娠出産意欲の関連を階層モデル分析により明らかにする。方法:2病院の20〜49歳を対象に質問紙調査を行い,欠損値のない26看護単位の221スタッフ看護職のデータを一般化線形階層モデルで分析した。結果:現在の看護単位に所属している間の妊娠出産意欲のオッズ比は,35歳以上は0.44,夫・パートナーがいる場合は2.22,小学生のときの母親の就労状況が正職員・自営・農業の場合は2.23,准看護師免許を持っている場合は0.17,看護単位の業務負担の平均値が1単位(標準偏差)高い...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 47; no. 2; pp. 2_219 - 2_232
Main Authors 安部, 陽子, 新田, 真弓, 髙田, 由紀子, 千葉, 邦子, 佐々木, 美喜, 辻田, 幸子, 古谷, 麻実子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.07.2024
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Summary:目的:病院で働く女性のスタッフ看護職を対象として,個人レベルの要因および看護単位レベルの要因と,現在の看護単位に所属している間の妊娠出産意欲の関連を階層モデル分析により明らかにする。方法:2病院の20〜49歳を対象に質問紙調査を行い,欠損値のない26看護単位の221スタッフ看護職のデータを一般化線形階層モデルで分析した。結果:現在の看護単位に所属している間の妊娠出産意欲のオッズ比は,35歳以上は0.44,夫・パートナーがいる場合は2.22,小学生のときの母親の就労状況が正職員・自営・農業の場合は2.23,准看護師免許を持っている場合は0.17,看護単位の業務負担の平均値が1単位(標準偏差)高い場合は1.24であった。結論:20歳代で就業を中断しても再就業できる制度,ジョブ型雇用の導入,AIを活用した看護職配置ソフトウェアの開発,柔軟な看護職配置に対する診療報酬での評価が妊娠出産意欲の向上に有用な可能性がある。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20230728230