99mTc-pertechnetate による上部消化管シンチグラムとガストログラム

99mTc-pertechnetateの経口投与および経静脈投与による上部消化管の核医学的診断を行った。経口投与では, 食道および胃幽門部の狭窄・閉塞の位置と状態の把握に有用であった。さらに経静脈投与によって胃粘膜のイメージングが可能であり, 胃がんでは欠損像として描出された。イメージングとともに99mTcの集積を経時的に測定し, ガストログラムを作成した。ガストログラムでは, 胃がんと正常胃とは異なった変化を示した。正常胃は, 急激な上昇後, ゆるやかな上昇がみられるが, 胃がんではゆるやかな上昇が認められず静注10分後付近からプラトーとなるカーブを示した。ガストログラムは胃液分泌能および胃...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inRADIOISOTOPES Vol. 27; no. 11; pp. 648 - 651
Main Authors 宍戸, 文男, 奥山, 信一, 三品, 均, 当麻, 忠, 佐藤, 多智雄, 山田, 健嗣, 松沢, 大樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本アイソトープ協会 01.11.1978
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:99mTc-pertechnetateの経口投与および経静脈投与による上部消化管の核医学的診断を行った。経口投与では, 食道および胃幽門部の狭窄・閉塞の位置と状態の把握に有用であった。さらに経静脈投与によって胃粘膜のイメージングが可能であり, 胃がんでは欠損像として描出された。イメージングとともに99mTcの集積を経時的に測定し, ガストログラムを作成した。ガストログラムでは, 胃がんと正常胃とは異なった変化を示した。正常胃は, 急激な上昇後, ゆるやかな上昇がみられるが, 胃がんではゆるやかな上昇が認められず静注10分後付近からプラトーとなるカーブを示した。ガストログラムは胃液分泌能および胃粘膜の機能検査に利用できることが示唆された。
ISSN:0033-8303
1884-4111
DOI:10.3769/radioisotopes.27.11_648