顎変形症に対する3D-CTの利用 第1報3D-CTの再現性の評価

「緒言」人体は硬組織と軟組織によって構成される立体構造物である. 特に顎顔面領域は複数の骨と筋が複雑な構造を呈している. この点, 手術等の処置を行うにあたって病巣およびその周囲の組織の3次元構造の把握が必要なことは言うまでもない. 顎変形症の手術に際しても, 変形量や形態を術前に把握することは重要で, 従来は単純X線写真, 断層X線写真および頭部X線規格写真など2次元画像から3次元構造を想像し, 術前診断や治療計画, 経過観察を行ってきた. しかし最近では, スリップリングを搭載し連続的にデータ採集の可能なCT装置1)が開発され, このデータを利用して3次元再構築を行うシステム(以下3D-C...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 7; no. 1; pp. 18 - 23
Main Authors 安井, 常晴, 四井, 資隆, 古跡, 養之眞, 久保, 誼修, 小渕, 匡清, 白数, 力也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 1997
日本顎変形症学会
Subjects
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd1991.7.18

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Summary:「緒言」人体は硬組織と軟組織によって構成される立体構造物である. 特に顎顔面領域は複数の骨と筋が複雑な構造を呈している. この点, 手術等の処置を行うにあたって病巣およびその周囲の組織の3次元構造の把握が必要なことは言うまでもない. 顎変形症の手術に際しても, 変形量や形態を術前に把握することは重要で, 従来は単純X線写真, 断層X線写真および頭部X線規格写真など2次元画像から3次元構造を想像し, 術前診断や治療計画, 経過観察を行ってきた. しかし最近では, スリップリングを搭載し連続的にデータ採集の可能なCT装置1)が開発され, このデータを利用して3次元再構築を行うシステム(以下3D-CTと略す)の利用が始まっている. これによって, 以前は手術前に空想としての理解しかできなかった形態も, 画面上で立体像として視覚的にかつ容易に観察が可能になってきた. 今回, われわれの施設でも顎変形症の術前評価のための3D-CTによる3次元構築システムの利用を開始した. このシステムの概要を報告するとともに, この3D-CTによる顎顔面領域の3次元構築像の計測精度について評価を行ったので報告する.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.7.18