PIXE法による愛玩動物の被毛と血清中セレンおよび亜鉛濃度の測定

PIXE法を用いて愛玩動物 (犬と猫) の被毛, 血清および飼料中のセレンおよび亜鉛濃度を測定した。被毛の前処理では, テフロン製の密封容器を用いて高周波加熱する湿式灰化法を用いた方がPIXE分析には有益であることがわかった。猫の被毛と血清中Se濃度は, 犬に比べて有意に高い値を示した。これは, Se濃度がほぼ同じ飼料を与えられた犬と猫の場合でも同様の傾向がみられたことから, 猫特有の性質によると推察された。また, 犬ではSe, 猫ではZnについて被毛と血清間に有意な正の相関が認められたことから, 被毛の測定によって血清中セレンおよび亜鉛濃度の推定が可能であることが示された。...

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Published inRADIOISOTOPES Vol. 43; no. 11; pp. 665 - 672
Main Authors 椚山, 巌, 伊藤, 伸彦, 加藤, 澄枝, 古川, 義宣, 三谷, のり子, 二ッ川, 章二, 世良, 耕一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本アイソトープ協会 01.11.1994
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Summary:PIXE法を用いて愛玩動物 (犬と猫) の被毛, 血清および飼料中のセレンおよび亜鉛濃度を測定した。被毛の前処理では, テフロン製の密封容器を用いて高周波加熱する湿式灰化法を用いた方がPIXE分析には有益であることがわかった。猫の被毛と血清中Se濃度は, 犬に比べて有意に高い値を示した。これは, Se濃度がほぼ同じ飼料を与えられた犬と猫の場合でも同様の傾向がみられたことから, 猫特有の性質によると推察された。また, 犬ではSe, 猫ではZnについて被毛と血清間に有意な正の相関が認められたことから, 被毛の測定によって血清中セレンおよび亜鉛濃度の推定が可能であることが示された。
ISSN:0033-8303
1884-4111
DOI:10.3769/radioisotopes.43.11_665