ヒト血中セクレチンの時間分解蛍光イムノアッセイ

血中セクレチンを測定する目的で,高感度な時間分解蛍光イムノアッセイ法を開発し検討した.イムノアッセイは抗家兎IgG抗体を固相化したマイクロタイタープレート中で血中セクレチンとウシ血清アルブミン(BSA)-セクレチンの結合体にユウロピウム(III)キレートを標識化したものを競合させる方法で行った.このとき検量域は,2.5~100pg/assay, 50%阻害濃度は29.2pg/assayであった.これは,セクレチンに直接ユウロピウム(III)キレートを標識化したものと競合させる方法に比較して11.8倍高感度であった.又,血中セクレチンを測定するためには試料の前処理が必要であり,これは市販の逆相の...

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Published in分析化学 Vol. 41; no. 12; pp. 627 - 632
Main Authors 前田, 昌子, 伊藤, 克敏, 辻, 章夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 01.12.1992
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.41.12_627

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Summary:血中セクレチンを測定する目的で,高感度な時間分解蛍光イムノアッセイ法を開発し検討した.イムノアッセイは抗家兎IgG抗体を固相化したマイクロタイタープレート中で血中セクレチンとウシ血清アルブミン(BSA)-セクレチンの結合体にユウロピウム(III)キレートを標識化したものを競合させる方法で行った.このとき検量域は,2.5~100pg/assay, 50%阻害濃度は29.2pg/assayであった.これは,セクレチンに直接ユウロピウム(III)キレートを標識化したものと競合させる方法に比較して11.8倍高感度であった.又,血中セクレチンを測定するためには試料の前処理が必要であり,これは市販の逆相の樹脂を用いることにより行った.このとき,回収率はサンプルにプロテアーゼ阻害剤としてAprotininとEDTAを加えることにより良好な値が得られた.前処理を行った試料は濃縮しての測定が可能となり,血しょう中セクレチンの検出感度は8.3pg/mlであった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.41.12_627