回復期リハビリテーションを行った高齢骨折患者の退院転帰 家族構成および介護保険からの検討
回復期リハの目標のひとつに,受傷前居住地への復帰がある.今回,我々は,患者の退院時ADL,認知機能とともに,家族構成および介護保険が回復期リハを行った高齢骨折患者の退院転帰に及ぼす影響について検討した.対象は,平成25年から平成30年に,当院にて回復期リハを行った65歳以上で自宅在住の高齢骨折患者732名.ADL能力は,FIMで,認知機能は,改訂 長谷川式簡易知能評価スケールで評価した.家族構成を,独居,夫婦,2人家族,3人以上家族に分類した.非認知障害から中等度認知障害にかけて,認知障害の進行と共にADLと自宅退院率は低下したが,重度認知障害では,ADLの低下にもかかわらず,自宅退院率は低下...
Saved in:
Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 2; pp. 303 - 310 |
---|---|
Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.2020
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.69.303 |
Cover
Summary: | 回復期リハの目標のひとつに,受傷前居住地への復帰がある.今回,我々は,患者の退院時ADL,認知機能とともに,家族構成および介護保険が回復期リハを行った高齢骨折患者の退院転帰に及ぼす影響について検討した.対象は,平成25年から平成30年に,当院にて回復期リハを行った65歳以上で自宅在住の高齢骨折患者732名.ADL能力は,FIMで,認知機能は,改訂 長谷川式簡易知能評価スケールで評価した.家族構成を,独居,夫婦,2人家族,3人以上家族に分類した.非認知障害から中等度認知障害にかけて,認知障害の進行と共にADLと自宅退院率は低下したが,重度認知障害では,ADLの低下にもかかわらず,自宅退院率は低下せず,わずかであるが,中等度認知障害にくらべ,高値であった.重度認知障害では,家族構成として3人以上家族が多いこと,介護保険の利用が,自宅退院率の維持改善につながったと考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.69.303 |