症例 Kent束伝導を示した特発性大動脈弁下狭窄症の1例

特発性大動脈弁下狭窄症Idiopathic hypertrophic subaorticsteRosis(IHSS)の治療として一般にβ-blockerの投与が行われている.心電図上WPW症候群で頻脈性不整脈を合併しているような場合β-blockerがWPW症候群に対してどのような影響を与えているかを知ることはIHSSの治療効果を予測する上にきわめて大切なことである.そこでこのような症例で動悸,息切れ,意識消失発作などを初発症状としたIHSS+WPW症候群(Btype)例にβ-blockerであるpropranolol 60mg/日の投与を行い,投与前と自覚症状のまったく消失した投与3週後の2...

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Published in心臓 Vol. 12; no. 11; pp. 1307 - 1315
Main Authors 待井, 一男, 麻喜, 恒雄, 池田, 精宏, 大和田, 憲司, 岩谷, 恭子, 舟山, 進, 蛯谷, 勧, 小野, 和男, 阿部, 裕光, 津田, 福視, 官野, 武彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1980
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Summary:特発性大動脈弁下狭窄症Idiopathic hypertrophic subaorticsteRosis(IHSS)の治療として一般にβ-blockerの投与が行われている.心電図上WPW症候群で頻脈性不整脈を合併しているような場合β-blockerがWPW症候群に対してどのような影響を与えているかを知ることはIHSSの治療効果を予測する上にきわめて大切なことである.そこでこのような症例で動悸,息切れ,意識消失発作などを初発症状としたIHSS+WPW症候群(Btype)例にβ-blockerであるpropranolol 60mg/日の投与を行い,投与前と自覚症状のまったく消失した投与3週後の2回に亘りヒス束心電図検査を施行し比較検討した.その結果,副伝導路はKent束タイプであり,propranololは正規の房室伝導系を抑制したが,副伝導路に対しては影響を与えなかった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.12.11_1307