4歳児に対する下肢の素早い動きを多用したコオーディネーション運動効果の検討

子どもの体力・運動能力の低下が指摘されている.この原因の一つとして,幼児期における運動経験の減少が示唆されている.著者らは,体力・運動能力低下防止には,運動経験の減少を補完し,身体の発育発達に寄与する運動プログラムの提供が大事であると考え,保育園・小学校で実践している. 本研究では,4歳児を対象として実践された,コオーディネーション運動中心の運動遊びが,幼児の体力・運動能力に及ぼす影響の検討,及び介入群の子どもたちの運動に取り組む姿や,保育士たちの意識にどのような変容が見受けられるかを目的とした.参加者は東京都内2カ所の保育園児合計53名である.一カ所の保育園児24名を介入群とし,他方の園児2...

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Published in北関東体育学研究 Vol. 6; pp. 19 - 25
Main Authors 佐々木, 恵美子, 竹内, 京子, 吉田, 隆, 小林, 宜義, 酒井, 俊郎, 三島, 隆章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東体育学会 2021
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ISSN2189-9622
2759-5706
DOI10.69196/kitakantotaiiku.6.0_19

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Summary:子どもの体力・運動能力の低下が指摘されている.この原因の一つとして,幼児期における運動経験の減少が示唆されている.著者らは,体力・運動能力低下防止には,運動経験の減少を補完し,身体の発育発達に寄与する運動プログラムの提供が大事であると考え,保育園・小学校で実践している. 本研究では,4歳児を対象として実践された,コオーディネーション運動中心の運動遊びが,幼児の体力・運動能力に及ぼす影響の検討,及び介入群の子どもたちの運動に取り組む姿や,保育士たちの意識にどのような変容が見受けられるかを目的とした.参加者は東京都内2カ所の保育園児合計53名である.一カ所の保育園児24名を介入群とし,他方の園児29名を非介入群とした.従来の運動プログラムに加えて,1回45分の介入授業を11か月間,計42回実施した.非介入群は従来通りの運動プログラムのみが実施された.体力テストは,20m走,ボール投げ,立ち幅跳び,反復横跳び および片足開眼立ちの5項目であった.介入効果は,二要因反復測定分配分析を用いて交互作用の有無を検討し,有意水準は5%未満とした.5種目中3種目の20m走,ボール投げおよび立ち幅跳びにおいて有意な交互作用が認められた.4歳児へのコオーディネーション運動は走る,投げる,跳ぶという,基本的な体力要素の向上に寄与したことが示唆された.また,介入群の子どもたちの運動に取り組む姿や保育士たちの意識の変容も見受けられた.
ISSN:2189-9622
2759-5706
DOI:10.69196/kitakantotaiiku.6.0_19