症例 卵円孔を通じて両心房にまたがって腫瘤がみられた左心房粘液腫の1例
両心房粘液腫はきわめてまれなものであり,本邦では2例の報告をみるに過ぎない.我々は,左房粘液腫で卵円孔を通じ右房側に著明な発育を示した両心房にまたがる粘液腫の1例を経験したので報告する.症例は69歳女性.検診にて胸部X線上肺動脈陰影拡大を指摘され,精査のため当科へ入院した.心臓超音波検査にて両心房にmass echoを認め,digital subtraction法にて右房内に塊状のfilling defectを認めたが,左房内ではfilling defectは認めなかった.また,右心カテーテル検査,肺動脈造影,肺血流シンチにて,多発性肺動脈栓塞による肺高血圧症を認めた.外科的に中隔を含めた両心...
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Published in | 心臓 Vol. 20; no. 12; pp. 1462 - 1468 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
1988
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Summary: | 両心房粘液腫はきわめてまれなものであり,本邦では2例の報告をみるに過ぎない.我々は,左房粘液腫で卵円孔を通じ右房側に著明な発育を示した両心房にまたがる粘液腫の1例を経験したので報告する.症例は69歳女性.検診にて胸部X線上肺動脈陰影拡大を指摘され,精査のため当科へ入院した.心臓超音波検査にて両心房にmass echoを認め,digital subtraction法にて右房内に塊状のfilling defectを認めたが,左房内ではfilling defectは認めなかった.また,右心カテーテル検査,肺動脈造影,肺血流シンチにて,多発性肺動脈栓塞による肺高血圧症を認めた.外科的に中隔を含めた両心房の腫瘍摘除を行い,病理学的に左心房側中隔より発生し卵円孔を通じ右房側にも著明な発育を示した粘液腫と診断された. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.20.12_1462 |