スマトラ沖地震津波によるスリランカ東部の被害状況の現地調査

2004年12月に発生したスマトラ沖地震津波に伴うスリランカ東部アンパラ県の農村地域の被害実態を調査した. 主な農地への津波被害は, 塩害による農作物の枯死, 土砂の堆積および流木などの堆積であった. しかし, 調査地域では, 3ヶ所でラグーンが河口閉塞し, ラグーンに流入する排水河川でも津波の浸入に伴い堆砂が生じた. このラグーンの河口閉塞と排水河川の堆砂は, 津波の5日後に発生した洪水の排水を阻害し, 広範囲にわたる水田の湛水被害や, 排水河川の破提といった二次災害を引き起こした. 河口閉塞が洪水被害を大きくしたことは, スリランカ東部地区での被害の特徴である....

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Published in海岸工学論文集 Vol. 52; pp. 1396 - 1400
Main Authors 桐, 博英, 上田, 達己, 丹治, 肇, 中矢, 哲郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 2005
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Summary:2004年12月に発生したスマトラ沖地震津波に伴うスリランカ東部アンパラ県の農村地域の被害実態を調査した. 主な農地への津波被害は, 塩害による農作物の枯死, 土砂の堆積および流木などの堆積であった. しかし, 調査地域では, 3ヶ所でラグーンが河口閉塞し, ラグーンに流入する排水河川でも津波の浸入に伴い堆砂が生じた. このラグーンの河口閉塞と排水河川の堆砂は, 津波の5日後に発生した洪水の排水を阻害し, 広範囲にわたる水田の湛水被害や, 排水河川の破提といった二次災害を引き起こした. 河口閉塞が洪水被害を大きくしたことは, スリランカ東部地区での被害の特徴である.
ISSN:0916-7897
1884-8222
DOI:10.2208/proce1989.52.1396