症例 Separated Conus Arteryより良好な側副血行路を受けた三枝病変の1症例

症例は66歳の男性で,過去に2回心筋梗塞を有する労作性狭心症の患者である. CAG所見では,RCAの2番に100%狭窄があり,3番へ側副血行を出していた.またLCAの5番に50%狭窄,LADの6番に100%狭窄を認め,LCXにも11番に75%,13番に99%の狭窄を認めた.一方本例では,臨床上証明の困難な,大動脈より直接分枝するseparatedconusartery(通常RCAよりconusbranchとして分枝する)を認め篇れがLAD6番と9番,およびRCAの4PD,4AVに側副血行を出していた.本例は三枝病変を有しなから,三枝の内二枝がseparated conus arteryをdon...

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Published in心臓 Vol. 11; no. 12; pp. 1351 - 1357
Main Authors 南都, 伸介, 杉井, 道夫, 谷浦, 光一, 山岸, 正湘, 児玉, 和久, 深川, 導子, 王子, 亘由, 葛谷, 恒彦, 三嶋, 正芳, 福島, 正勝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1979
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Summary:症例は66歳の男性で,過去に2回心筋梗塞を有する労作性狭心症の患者である. CAG所見では,RCAの2番に100%狭窄があり,3番へ側副血行を出していた.またLCAの5番に50%狭窄,LADの6番に100%狭窄を認め,LCXにも11番に75%,13番に99%の狭窄を認めた.一方本例では,臨床上証明の困難な,大動脈より直接分枝するseparatedconusartery(通常RCAよりconusbranchとして分枝する)を認め篇れがLAD6番と9番,およびRCAの4PD,4AVに側副血行を出していた.本例は三枝病変を有しなから,三枝の内二枝がseparated conus arteryをdonor vesselとして側副血行を受けており,この側副血行が在存しなけれぽ本例の予後は非常に不良であったと推測された,また特に本例のような場合,Conusarteryの選択的造影が,きわめて重要であることが示唆された.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.11.12_1351