臨床 ペースメーカー植込み患者における心胸郭比の変化
完全房室ブロック73例, 洞不全症候群30例, 手術後完全房室ブロック3例の合計106例に対し, ペースメーカー植込み術を施行し, 植込み前, 植込み後3ヵ月, 植込み後12ヵ月の心胸郭比を比較検討した. ペースメーカー櫃込み3ヵ月後に心胸郭比が植込み前に比し, 5%以上減少した症例は26例(全体の24%), 5%以上増加した症例は6例(全体の6%)であった. 一方,ペースメーカー植え込み12ヵ月後に心胸郭比が植え込み前に比べて, 5%以上減少した症例は32例(全体の30%), 5%以上増加した症例は4例(全体の4%)であった. 心胸郭比の程度と患者の性別との間に相関はなかった. 106例のう...
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Published in | 心臓 Vol. 11; no. 10; pp. 1061 - 1064 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
1979
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Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.11.10_1061 |
Cover
Summary: | 完全房室ブロック73例, 洞不全症候群30例, 手術後完全房室ブロック3例の合計106例に対し, ペースメーカー植込み術を施行し, 植込み前, 植込み後3ヵ月, 植込み後12ヵ月の心胸郭比を比較検討した. ペースメーカー櫃込み3ヵ月後に心胸郭比が植込み前に比し, 5%以上減少した症例は26例(全体の24%), 5%以上増加した症例は6例(全体の6%)であった. 一方,ペースメーカー植え込み12ヵ月後に心胸郭比が植え込み前に比べて, 5%以上減少した症例は32例(全体の30%), 5%以上増加した症例は4例(全体の4%)であった. 心胸郭比の程度と患者の性別との間に相関はなかった. 106例のうち完全房室ブロック群と, 洞不全症候群との間に, 心胸郭比変化について有意差はなかった. ペースメーカー植込み後の心胸郭比変化と相関するものとして, ペースメーカー植込み前の心胸郭比があげられる. 植込み前の心胸郭比が大きい群では, 植込み後の心胸郭比が縮小しやすい. 本研究では, ペーシソグ後心胸郭比は平均値としては減少傾向を示すものの, 一般には不変の場合が多いことが判明した, これは徐脈性疾患患者は単に調律異常のみでなく, 心筋の疾患も合併していることを示唆している. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.11.10_1061 |