ポリグリコール酸フェルト (デュラウェーブ®) を用いて頭蓋底硬膜再建した2症例

内視鏡経鼻頭蓋底手術は広く行われるようになったが, 手術侵襲の程度によっては時に硬膜再建が必要になることがある. 今回, 硬膜補綴材であるポリグリコール酸 (PGA) フェルトを使用し硬膜再建を行った2症例を報告する. 症例1は78歳男性. 嗅神経芽細胞腫 (Kadish 分類 Stage B) の腫瘍切除後に硬膜欠損に対して PGA フェルト・鼻中隔粘膜弁を用いて硬膜再建した. 症例2は68歳女性. 外反性乳頭腫に合併した扁平上皮癌であり, 術中に篩板からの髄液漏を認め PGA フェルト・有茎粘膜弁を用いて硬膜再建した. 術後に感染や髄液漏はなく, PGA フェルトを用いることで簡便かつ短時...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 123; no. 3; pp. 257 - 263
Main Authors 浦口, 健介, 小桜, 謙一, 牧原, 靖一郎, 福田, 真紀, 土井, 彰, 太田, 剛史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.03.2019
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:内視鏡経鼻頭蓋底手術は広く行われるようになったが, 手術侵襲の程度によっては時に硬膜再建が必要になることがある. 今回, 硬膜補綴材であるポリグリコール酸 (PGA) フェルトを使用し硬膜再建を行った2症例を報告する. 症例1は78歳男性. 嗅神経芽細胞腫 (Kadish 分類 Stage B) の腫瘍切除後に硬膜欠損に対して PGA フェルト・鼻中隔粘膜弁を用いて硬膜再建した. 症例2は68歳女性. 外反性乳頭腫に合併した扁平上皮癌であり, 術中に篩板からの髄液漏を認め PGA フェルト・有茎粘膜弁を用いて硬膜再建した. 術後に感染や髄液漏はなく, PGA フェルトを用いることで簡便かつ短時間で低侵襲に硬膜再建を行うことができた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.123.257