コクシジウム寄生を伴ったClostridium perfringensA型菌による子牛のエンテロトキセミア

1982年7月, 長崎市の一農家で10日齢で導入された30日齢乳用雄子牛1頭が急死した. 剖検の結果, 小腸から結腸の内容物は暗赤色泥状で粘膜面の出血が著しく, 組織学的には腸粘膜の変性・壊死, 桿菌の増殖と多数のコクシジウムのガメートの寄生がみられた. 細菌学的検査では空腸内容物からα-毒素が証明され, Clostridium perfringensA型菌有毒株が108CFU/gと多数分離された. 以上の成績から, C.perfringensA型菌によるエンテロトキセミアと診断され, 発症誘因としてコクシジウムの寄生が考えられた....

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Published in日本獣医師会雑誌 Vol. 39; no. 10; pp. 652 - 655
Main Authors 岩松, 茂, 森尾, 篤, 合沢, 正哲, 山下, 謙, 吉野, 久信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 1986
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Summary:1982年7月, 長崎市の一農家で10日齢で導入された30日齢乳用雄子牛1頭が急死した. 剖検の結果, 小腸から結腸の内容物は暗赤色泥状で粘膜面の出血が著しく, 組織学的には腸粘膜の変性・壊死, 桿菌の増殖と多数のコクシジウムのガメートの寄生がみられた. 細菌学的検査では空腸内容物からα-毒素が証明され, Clostridium perfringensA型菌有毒株が108CFU/gと多数分離された. 以上の成績から, C.perfringensA型菌によるエンテロトキセミアと診断され, 発症誘因としてコクシジウムの寄生が考えられた.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.39.652