栽培稲の系統発生的分化.XXII. : インド型・日本型分化の数量的評価
アジア各地から収集された多数の在来稲品種の中からランダムに選んだ89品種の11形質の品種問変異を主成分分析法によって分析した。その結果は,インド型・日本型の分化は複数の形質の組合せ様式に基いて認められるものであり,2型をはっきり分類するのに役立つ単独形質はたい,という岡(1953.1958)の主張が正しいことを示した。単独の形質を用いてインド型・日本型を分ける際の分類を誤る確率は形質によって異なるが,10個の量的形質の申では塩素酸カリ低抗性が最も低くて約3%,種子の長幅比が最も高くて約40%であった。3ないし4形質を組合せた判別函数を用いると分類を誤る確率はかたり低くなるが,なお少数の品種が中...
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Published in | 育種学雑誌 Vol. 31; no. 4; pp. 402 - 413 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
日本育種学会
1981
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Summary: | アジア各地から収集された多数の在来稲品種の中からランダムに選んだ89品種の11形質の品種問変異を主成分分析法によって分析した。その結果は,インド型・日本型の分化は複数の形質の組合せ様式に基いて認められるものであり,2型をはっきり分類するのに役立つ単独形質はたい,という岡(1953.1958)の主張が正しいことを示した。単独の形質を用いてインド型・日本型を分ける際の分類を誤る確率は形質によって異なるが,10個の量的形質の申では塩素酸カリ低抗性が最も低くて約3%,種子の長幅比が最も高くて約40%であった。3ないし4形質を組合せた判別函数を用いると分類を誤る確率はかたり低くなるが,なお少数の品種が中問型となる。雑種不稔性はインド型・日本型の分類には余り役にたたたかった。この研究の分析に用いた全形質変異の約半分がインド型・日本型の分化に関与していた。さらに,従来の研究から明らかにされた12座位28対立遺伝子の頻度のデータに基いて遺伝的近縁度(genetic identity)を推定Lたところ0.62であった。インド型・日本型の分化には多数の遺伝子が関与していると思われる。 |
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ISSN: | 0536-3683 2185-291X |
DOI: | 10.1270/jsbbs1951.31.402 |