阿字ヶ浦海岸汀線近傍における礫出現に関する現地調査

茨城県の阿字ヶ浦海岸では, 海岸侵食とともに近年汀線付近への礫の出現が問題となっている. 本研究では, 定期的な現地観察を行い, 礫の出現と入射波エネルギーフラックスとの関係を明らかにした. また, 浅海部の海底状況調査や蛍光礫トレーサー追跡調査により, 岸沖・沿岸方向における礫の移動過程を明らかにした. これらの調査の結果, 阿字ヶ浦海岸南部の礫は元来地盤の下層にあったものが表層砂層の侵食によって露呈したものであること, 礫は高波浪ピークから4~5日後に出現すること, 常時波浪時においても, 礫は波の突っ込み点付近の分布帯と汀線付近を往復移動していることなどが明らかとなった....

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Published in海岸工学論文集 Vol. 53; pp. 686 - 690
Main Authors 熊谷, 隆, 横木, 裕宗, 三村, 信男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 2006
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ISSN0916-7897
1884-8222
DOI10.2208/proce1989.53.686

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Summary:茨城県の阿字ヶ浦海岸では, 海岸侵食とともに近年汀線付近への礫の出現が問題となっている. 本研究では, 定期的な現地観察を行い, 礫の出現と入射波エネルギーフラックスとの関係を明らかにした. また, 浅海部の海底状況調査や蛍光礫トレーサー追跡調査により, 岸沖・沿岸方向における礫の移動過程を明らかにした. これらの調査の結果, 阿字ヶ浦海岸南部の礫は元来地盤の下層にあったものが表層砂層の侵食によって露呈したものであること, 礫は高波浪ピークから4~5日後に出現すること, 常時波浪時においても, 礫は波の突っ込み点付近の分布帯と汀線付近を往復移動していることなどが明らかとなった.
ISSN:0916-7897
1884-8222
DOI:10.2208/proce1989.53.686