CBT(cortical bone trajectory)を用いて後側方固定術を行った3例

骨粗鬆症を伴う胸腰椎の椎体骨折に対する後方固定の問題としてPedicle Screw(以下PS)の緩みや脱転がある.Cortical Bone Trajectory(以下CBT)は新しい椎弓根スクリューの挿入法で,引き抜き強度はPSの1.3倍と言われる.今回,胸腰椎の椎体骨折患者にCBTを併用した後方固定術を行い,短期ではあるが良好な結果が得られたので報告する.対象は3例(男性2例,女性1例).手術時平均年齢は81.3歳(76歳-89歳).術後追跡期間は平均6カ月(5-7カ月).罹患高位はそれぞれ第12胸椎と第1腰椎,第3腰椎,第12胸椎であった.症状は腰痛による体動困難であった.下肢の痺れを...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 62; no. 4; pp. 726 - 731
Main Authors 野口, 智恵子, 日浦, 健, 山根, 宏敏, 奥平, 毅, 小西, 宏昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2013
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Summary:骨粗鬆症を伴う胸腰椎の椎体骨折に対する後方固定の問題としてPedicle Screw(以下PS)の緩みや脱転がある.Cortical Bone Trajectory(以下CBT)は新しい椎弓根スクリューの挿入法で,引き抜き強度はPSの1.3倍と言われる.今回,胸腰椎の椎体骨折患者にCBTを併用した後方固定術を行い,短期ではあるが良好な結果が得られたので報告する.対象は3例(男性2例,女性1例).手術時平均年齢は81.3歳(76歳-89歳).術後追跡期間は平均6カ月(5-7カ月).罹患高位はそれぞれ第12胸椎と第1腰椎,第3腰椎,第12胸椎であった.症状は腰痛による体動困難であった.下肢の痺れを1例に認めたが,筋力低下を示す症例は無かった.手術は後方もしくは後側方固定術を行った.胸椎に対してはPS,腰椎に対してCBTを用いて固定した.全例とも術後腰痛は軽減し,満足な結果を得た.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.62.726