寛骨臼回転骨切り術(RAO)の成績不良例に対する治療

【はじめに】寛骨臼回転骨切り術(以下“RAO”)の成績不良例に対する当院での治療を検証する.【対象と方法】2000年以降12年間に当院を受診したRAO後の成績不良例,7例8股関節を対象とし,その後の経過を追跡した.【結果】8股関節中5股関節はキアリ骨盤骨切り術(以下「キアリ手術」)で救済しえた.残りの3例3股関節にキアリ手術の適応はなく,jiggling(貧乏ゆすり)を勧めたが,2例は人工股関節置換術(以下“THR”)を選んだ.【考察】RAO後の成績不良の原因として最も多いのは,二ノ宮のIII,IV型に対するRAO後の関節面不適合であるが,臼蓋荷重部に欠損を生じているときには,キアリ手術の適応...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 62; no. 1; pp. 124 - 130
Main Authors 境野, 昌範, 木下, 斎, 諌山, 照刀, 井上, 明生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2013
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Summary:【はじめに】寛骨臼回転骨切り術(以下“RAO”)の成績不良例に対する当院での治療を検証する.【対象と方法】2000年以降12年間に当院を受診したRAO後の成績不良例,7例8股関節を対象とし,その後の経過を追跡した.【結果】8股関節中5股関節はキアリ骨盤骨切り術(以下「キアリ手術」)で救済しえた.残りの3例3股関節にキアリ手術の適応はなく,jiggling(貧乏ゆすり)を勧めたが,2例は人工股関節置換術(以下“THR”)を選んだ.【考察】RAO後の成績不良の原因として最も多いのは,二ノ宮のIII,IV型に対するRAO後の関節面不適合であるが,臼蓋荷重部に欠損を生じているときには,キアリ手術の適応があるが,欠損部のないときには,THRもしくはjigglingを指導することになる.【まとめ】RAO後の成績不良例に対する救済方法としてのキアリ手術の適応とjigglingについて述べた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.62.124