突然変異による雑種不稔性の新しい対立遺伝子の分化

栽培イネの遠縁交雑における雌性配偶子不稔遺伝子座として,既にS-5,S-7,S-8,S-9,S-15,S-16が報告されている.□木型とインド型イネの雑種不稔性はS-5によることも明らかになった.本報では,突然変異によって育成された日本型品種みゆきもちと広親和性品種02428の日印交雑における雑種.不稔性を支配する新しい対立遺伝子の分化について報告する. みゆきもちは1司し日本型品種トヨニシキからガンマ線照射で育成されたもち性突然変異品種である.しかし,トヨニシキとインド型品種IR36との雑種不稔性はS-5のみによるのに対して,みゆきもちとIR36の雑種不稔性はS-5とS-7によるものであった...

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Published in育種学雑誌 Vol. 46; no. 2; pp. 167 - 172
Main Authors 万, 建民, 池橋, 宏
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本育種学会 1996
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Summary:栽培イネの遠縁交雑における雌性配偶子不稔遺伝子座として,既にS-5,S-7,S-8,S-9,S-15,S-16が報告されている.□木型とインド型イネの雑種不稔性はS-5によることも明らかになった.本報では,突然変異によって育成された日本型品種みゆきもちと広親和性品種02428の日印交雑における雑種.不稔性を支配する新しい対立遺伝子の分化について報告する. みゆきもちは1司し日本型品種トヨニシキからガンマ線照射で育成されたもち性突然変異品種である.しかし,トヨニシキとインド型品種IR36との雑種不稔性はS-5のみによるのに対して,みゆきもちとIR36の雑種不稔性はS-5とS-7によるものであった.従って,みゆきもちでは,突然変異により,S-7iからS-7へと新しい対立遺伝子が生じたことが証明された、一方,中国でよく使われている広親和性品種02428は,PangxieguとJibangdaoをガンマ線照射後交雑して得たF1から'育成された. しかし,両親のPangxieguとJibang(laoはIR36などインド型品種と半稔性を示す日本型品種であるので,02428のS-5nは突然変異によりS-5iから分化した二とが判明した.
ISSN:0536-3683
2185-291X
DOI:10.1270/jsbbs1951.46.167