センスメーキングプロセスとしての授業中の相互的意思決定場面の検討

これまで,教師の思考過程を記述するモデルは情報処理に基づくものが有力であった.しかし,従来の意思決定モデルだけでは教室状況の曖昧さや多義性に対処する教師の思考を十分に記述することはできない.そこで本研究では,Weickのセンスメーキングの考え方を用い,状況の多義性が淘汰されるプロセスとして教師の思考過程を捉え,従来とは異なる視点から事例を記述することを試みた.2名の小学校教師に対し,実際の実践について再生刺激法を用いたインタビューを行ったところ,それぞれの教師の思考過程においてセンスメーキングのモデルの特徴が見られ,教師の授業中の思考過程がセンスメーキングプロセスとして記述し得る可能性が示され...

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Published in日本教育工学会論文誌 Vol. 39; no. Suppl; pp. 109 - 112
Main Authors 前田, 菜摘, 浅田, 匡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本教育工学会 2016
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Summary:これまで,教師の思考過程を記述するモデルは情報処理に基づくものが有力であった.しかし,従来の意思決定モデルだけでは教室状況の曖昧さや多義性に対処する教師の思考を十分に記述することはできない.そこで本研究では,Weickのセンスメーキングの考え方を用い,状況の多義性が淘汰されるプロセスとして教師の思考過程を捉え,従来とは異なる視点から事例を記述することを試みた.2名の小学校教師に対し,実際の実践について再生刺激法を用いたインタビューを行ったところ,それぞれの教師の思考過程においてセンスメーキングのモデルの特徴が見られ,教師の授業中の思考過程がセンスメーキングプロセスとして記述し得る可能性が示された.
ISSN:1349-8290
2189-6453
DOI:10.15077/jjet.S39070