研究会 第2回東海ICD研究会 非虚血性致死性不整脈に対するICD植え込みはいかにあるべきか

非虚血性心室性頻拍治療における植え込み型除細動器(ICD)の役割を,自験例を中心に検討した.電気生理学的手法で有効治療(抗不整脈薬・カテーテル焼灼術・外科手術)が行われた症例の長期経過はおおむね良好であったが,145例中9例に心死亡が認められた.心室頻拍の再発は26症例に見られ,拡張型心筋症と不整脈源性右室心筋症で特に多かった.ICD植え込みを必要とした症例のうち,非虚血性心疾患の症例は52%を占めた.植え込みを行った症例の約65%に経過中のICD作動が確認されたが,上室性頻拍などに対する不適切作動も29%に認められた.ICD治療は非虚血性心疾患に伴う心室性頻拍症例においても重要かつ有用な治療...

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Published in心臓 Vol. 32; no. 10; pp. 803 - 808
Main Authors 種田, 宏司, 相澤, 義房, 阿部, 晃, 池主, 雅臣, 鷲塚, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2000
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.32.10_803

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Summary:非虚血性心室性頻拍治療における植え込み型除細動器(ICD)の役割を,自験例を中心に検討した.電気生理学的手法で有効治療(抗不整脈薬・カテーテル焼灼術・外科手術)が行われた症例の長期経過はおおむね良好であったが,145例中9例に心死亡が認められた.心室頻拍の再発は26症例に見られ,拡張型心筋症と不整脈源性右室心筋症で特に多かった.ICD植え込みを必要とした症例のうち,非虚血性心疾患の症例は52%を占めた.植え込みを行った症例の約65%に経過中のICD作動が確認されたが,上室性頻拍などに対する不適切作動も29%に認められた.ICD治療は非虚血性心疾患に伴う心室性頻拍症例においても重要かつ有用な治療法であるが,除細動ショックや抗頻拍ペーシングによる頻拍のacceleration,植え込み後の心内電位の変化に伴うICD不適切作動,心室細動中の局所電位高の低下による感知不全などに注意が必要である.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.32.10_803