症例 心房中隔欠損症および肺高血圧症を伴った巨大肺動脈瘤の1剖検例

肺動脈瘤の発生は極めて少なく,その発生機序についてはいまだ不明な点が多い.肺動脈瘤の合併疾患としては,先天性心疾患,特に動脈管開存症,心室中隔欠損症などの左→右シャントを呈する疾患に多いことより,肺循環量の増加が誘因の一つであることが強く示唆される.われわれは,肺高血圧症を伴う心房中隔欠損症に巨大な肺動脈瘤を生じた症例を経験したので,心房中隔欠損症による血流異常に相伴った肺高血圧症による肺動脈障害によって肺動脈瘤が発生する可能性にっいて,主に病理組織学的立場より検討した....

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Published in心臓 Vol. 14; no. 9; pp. 1186 - 1190
Main Authors 石松, 隆志, 山本, 哲郎, 神原, 武, 林, 澤民, 小野, 忠弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1982
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Summary:肺動脈瘤の発生は極めて少なく,その発生機序についてはいまだ不明な点が多い.肺動脈瘤の合併疾患としては,先天性心疾患,特に動脈管開存症,心室中隔欠損症などの左→右シャントを呈する疾患に多いことより,肺循環量の増加が誘因の一つであることが強く示唆される.われわれは,肺高血圧症を伴う心房中隔欠損症に巨大な肺動脈瘤を生じた症例を経験したので,心房中隔欠損症による血流異常に相伴った肺高血圧症による肺動脈障害によって肺動脈瘤が発生する可能性にっいて,主に病理組織学的立場より検討した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.14.9_1186