佐々木-瀬畑論争に関する研究 体育の本質という観点から
「I 問題の所在と研究目的」本研究は, いわゆる「佐々木-瀬畑論争」を検討するものである. 佐々木-瀬畑論争とは, 『体育の科学』誌1960年8月号に掲載された佐々木賢太郎の実践記録(佐々木, 1960b)に対して, 瀬畑四郎が10月号の「私のバスケットボールの実践から」(瀬畑, 1960c)で批判を行い, 翌61年5月に佐々木が「瀬畑先生に答える」(佐々木, 1961c)を, さらに6月号で瀬畑が「佐々木氏の反批判に考える」(瀬畑, 1961b)をそれぞれ報告して終わったとされる論争である. この論争は, 佐々木がバスケットボールの「子どもの現実から出発しての系統は明らかになっていない」(佐...
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Published in | 体育学研究 Vol. 70; pp. 19 - 36 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
2025
日本体育・スポーツ・健康学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0484-6710 1881-7718 |
DOI | 10.5432/jjpehss.002-24047 |
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Summary: | 「I 問題の所在と研究目的」本研究は, いわゆる「佐々木-瀬畑論争」を検討するものである. 佐々木-瀬畑論争とは, 『体育の科学』誌1960年8月号に掲載された佐々木賢太郎の実践記録(佐々木, 1960b)に対して, 瀬畑四郎が10月号の「私のバスケットボールの実践から」(瀬畑, 1960c)で批判を行い, 翌61年5月に佐々木が「瀬畑先生に答える」(佐々木, 1961c)を, さらに6月号で瀬畑が「佐々木氏の反批判に考える」(瀬畑, 1961b)をそれぞれ報告して終わったとされる論争である. この論争は, 佐々木がバスケットボールの「子どもの現実から出発しての系統は明らかになっていない」(佐々木, 1960b, p.427)ことを問題として, 1時間目パス, 2時間目パス, 3時間目ドリブル, 4時間目シュート, 5時間目パスゲームという順序を示し, 3時間目のドリブル学習において, 発見, 照合, 確認, 創造という4つの認識の節を意識的に適用した実践記録を紹介したことに始まる. |
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ISSN: | 0484-6710 1881-7718 |
DOI: | 10.5432/jjpehss.002-24047 |