ストップトフロー高速液体クロマトグラフィーによる血中δ-アミノレブリン酸の定量

全血中δ-アミノレブリン酸(ALA-B)定量法を,簡単な前処理と蛍光検出器付ストップトフローHPLC(SF-HPLC)を用い確立した.反応コイル内での縮合反応の最適条件は,除タンパクした試料を100mM酢酸緩衝液(pH5)で2倍希釈した溶液60μlを注入した場合,反応コイル温度は98℃,第一段階の反応試薬は50%アセチルアセトンと25%エタノールの混合液,第二段階の反応試薬は10%ホルムアルデヒドであった.本法の検出限界は2μg/lで,著者らの行ってきた蛍光HPLC(従来法)より2.5倍検出限界が向上した.測定時間は1検体13分以内であった.鉛曝露,非曝露者10名のALA-Bの1週間4回の繰り...

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Published in分析化学 Vol. 43; no. 4; pp. 311 - 316
Main Authors 武林, 亨, 大前, 和幸, 柴田, 徹一, 細田, 加那江, 和田, 弘美, 桜井, 治彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 01.04.1994
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.43.311

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Summary:全血中δ-アミノレブリン酸(ALA-B)定量法を,簡単な前処理と蛍光検出器付ストップトフローHPLC(SF-HPLC)を用い確立した.反応コイル内での縮合反応の最適条件は,除タンパクした試料を100mM酢酸緩衝液(pH5)で2倍希釈した溶液60μlを注入した場合,反応コイル温度は98℃,第一段階の反応試薬は50%アセチルアセトンと25%エタノールの混合液,第二段階の反応試薬は10%ホルムアルデヒドであった.本法の検出限界は2μg/lで,著者らの行ってきた蛍光HPLC(従来法)より2.5倍検出限界が向上した.測定時間は1検体13分以内であった.鉛曝露,非曝露者10名のALA-Bの1週間4回の繰り返し測定での再現性は,相対標準偏差は5%以内と良好であった.鉛曝露非曝露者35名のALA-Bを本法と従来法で比較した結果,相関係数は0.97と良好であった.なお,本法はホルムアルデヒド,アセチルアセトン等の有害物質に測定者が曝露されないという点でも優れている.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.43.311