頚動脈血栓内膜剝離術(CEA)後の再狭窄についての検討 シロスタゾールは再狭窄の予防に有効か

「はじめに」頚動脈血栓内膜剥離術(以下CEA)後の再狭窄および閉塞は, 問題となる合併症のひとつである. 原因として術後の周術期では手術手技上の問題, 早期(2年以内)には平滑筋細胞の増殖, 晩期(2年以降)は動脈硬化と考えられる. 一般に, アスピリンがCEA術後に使用されてきたが, その効果については不明である. 一方シロスタゾールは抗血小板作用以外に, 血管平滑筋細胞抑制作用も有する抗血小板剤である. 自検例おけるCEA後の再狭窄の頻度, 要因および各抗血小板剤による再狭窄予防効果を検討した. 「対象および方法」対象は, 2001年1月から2008年12月末までに施行したCEA連続295...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 38; no. 2; pp. 110 - 113
Main Authors 兒玉, 裕司, 垰本, 勝司, 久我, 純弘, 久保田, 尚, 廣瀬, 智史, 大西, 英之, 中嶋, 千也, 富永, 貴志, 林, 真人, 市岡, 従道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2010
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.38.110

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Summary:「はじめに」頚動脈血栓内膜剥離術(以下CEA)後の再狭窄および閉塞は, 問題となる合併症のひとつである. 原因として術後の周術期では手術手技上の問題, 早期(2年以内)には平滑筋細胞の増殖, 晩期(2年以降)は動脈硬化と考えられる. 一般に, アスピリンがCEA術後に使用されてきたが, その効果については不明である. 一方シロスタゾールは抗血小板作用以外に, 血管平滑筋細胞抑制作用も有する抗血小板剤である. 自検例おけるCEA後の再狭窄の頻度, 要因および各抗血小板剤による再狭窄予防効果を検討した. 「対象および方法」対象は, 2001年1月から2008年12月末までに施行したCEA連続295症例(男性244名, 女性51名, 平均70歳), 333病変(症候性116例, 無症候性217例)である. CEA後は手術翌日にMRAあるいは3D-CTAを, 1から3カ月後, 6カ月後, 12カ月後, 以降1年ごとに頚動脈エコー検査を施行し, 閉塞や再狭窄の有無の確認を行った. 頚動脈エコー検査においては, peak systolic velocity(以下PSV)130cm/s以上を再狭窄と定義した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.38.110