発色法及び高速液体クロマトグラフィーによる尿中アントラキノン誘導体緩下剤の検出
1,8-ジヒドロキシアントラキノン誘導体(1,8-OHAD)とアルミニウムとのキレートによる発色法(発色法)と高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて,乱用されたアントラキノン誘導体(ADL)の尿中からの検出法を確立した.経口投与後のADLは,数種類の1,8-OHADとして尿中に排せつされるので,本報告では,レイン(RH),ダンスロン(DT)及びエモジン(EM)を検出した.発色法では,有機相中の尿抽出物をBondapak C18/Corasilに吸着後,アセトニトリル-2%酢酸溶液の3種類の異なる溶液を用いて,1,8-OHADと尿中成分とを分離した,1,8-OHADを含む溶離液部分をアル...
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Published in | 分析化学 Vol. 35; no. 3; pp. 268 - 271 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本分析化学会
01.03.1986
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ISSN | 0525-1931 |
DOI | 10.2116/bunsekikagaku.35.3_268 |
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Summary: | 1,8-ジヒドロキシアントラキノン誘導体(1,8-OHAD)とアルミニウムとのキレートによる発色法(発色法)と高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて,乱用されたアントラキノン誘導体(ADL)の尿中からの検出法を確立した.経口投与後のADLは,数種類の1,8-OHADとして尿中に排せつされるので,本報告では,レイン(RH),ダンスロン(DT)及びエモジン(EM)を検出した.発色法では,有機相中の尿抽出物をBondapak C18/Corasilに吸着後,アセトニトリル-2%酢酸溶液の3種類の異なる溶液を用いて,1,8-OHADと尿中成分とを分離した,1,8-OHADを含む溶離液部分をアルミナカラムに滴下し,キレート化合物の発色による桃色の物質を検出した.HPLCは,紫外部吸光検出(250nm)で,アセトニトリル-2%酢酸溶液(7:3,v/v%)の移動相を用い,逆相系のC18カラムで行った.両方法における,RH,DT及びEMの検出限界は,0.1μgであった.これらの方法を5種類のADL投与後の健常人の24時間尿に適用した.各々の試料中からRH,DT又はEMが検出された.本法を低カリウム血症の女性患者の尿に適用したところ,RHが検出された. |
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ISSN: | 0525-1931 |
DOI: | 10.2116/bunsekikagaku.35.3_268 |