帯広市における腸管出血性大腸菌O157集団感染 分離菌株の諸性状
1996年10月末, 北海道帯広市で, 有症者169名 (内, 溶血性尿毒症症候群-HUS-の患者21名, 12.4%) が確認される腸管出血性大腸菌O157 (以下O157大腸菌) による集団感染が発生した. 給食に出されたポテトサラダにO157大腸菌が付着し, それを喫食した児童や職員が発症した. さらに家族にも二次感染が確認された. 原因菌はベロ毒素2型 (VT2) 単独産生性の腸管出血性大腸菌O157: H7であり, この集団感染事例が同一のO157大腸菌による集団感染であることを, 分離菌株の生化学性状, 産生毒素性状, DNA解析による分子疫学的考察などにより明らかにした....
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 71; no. 11; pp. 1131 - 1136 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
20.11.1997
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ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.71.1131 |
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Summary: | 1996年10月末, 北海道帯広市で, 有症者169名 (内, 溶血性尿毒症症候群-HUS-の患者21名, 12.4%) が確認される腸管出血性大腸菌O157 (以下O157大腸菌) による集団感染が発生した. 給食に出されたポテトサラダにO157大腸菌が付着し, それを喫食した児童や職員が発症した. さらに家族にも二次感染が確認された. 原因菌はベロ毒素2型 (VT2) 単独産生性の腸管出血性大腸菌O157: H7であり, この集団感染事例が同一のO157大腸菌による集団感染であることを, 分離菌株の生化学性状, 産生毒素性状, DNA解析による分子疫学的考察などにより明らかにした. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.71.1131 |