オールインワン接着システムにおけるAcid-base Resistant ZoneのSEM観察

本研究の目的は, 最近のオールインワン接着システムにおけるレジン-象牙質接着界面について, 酸-塩基処理後の微細構造を観察することである. 実験には, 3種のオールインワン接着システム: アブソリュート2 (AB), SIR20603 (SI-R, 試作), トクヤマボンドフォース (BF) を用いた. ヒト抜去大臼歯より象牙質板を切り出し, 業者指示に従って接着操作を行った. さらにフロアブルレジンを用いて2個の象牙質板を挟み, 光照射して接着試料を作製した. 試料は水中1日浸漬後, 接着界面に対して垂直に半切し, エポキシレジン包埋した. その後, 一方の試料は, そのまま鏡面研磨を行った...

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Published in接着歯学 Vol. 25; no. 3; pp. 197 - 203
Main Authors 二階堂, 徹, 飯田, 康博, 西村, 美穂, 田上, 順次, 井上, 剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本接着歯学会 15.12.2007
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ISSN0913-1655
2185-9566
DOI10.11297/adhesdent1983.25.197

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Summary:本研究の目的は, 最近のオールインワン接着システムにおけるレジン-象牙質接着界面について, 酸-塩基処理後の微細構造を観察することである. 実験には, 3種のオールインワン接着システム: アブソリュート2 (AB), SIR20603 (SI-R, 試作), トクヤマボンドフォース (BF) を用いた. ヒト抜去大臼歯より象牙質板を切り出し, 業者指示に従って接着操作を行った. さらにフロアブルレジンを用いて2個の象牙質板を挟み, 光照射して接着試料を作製した. 試料は水中1日浸漬後, 接着界面に対して垂直に半切し, エポキシレジン包埋した. その後, 一方の試料は, そのまま鏡面研磨を行った. 他方は, 人工脱灰液 (pH4.5) と5%次亜塩素酸ナトリウムで処理後, さらに接着界面に垂直に切断し, 鏡面研磨した. すべての試料は, アルゴンイオンエッチングした後, SEM観察した. その結果, 各ボンディング材の厚みは, 5μm以下であり, 樹脂含浸層はきわめて薄く, アルゴンイオンエッチングによって明視化するのは困難であった. 一方, どのボンディング材においても樹脂含浸層直下に, Acid-Base Resistant Zone (ABRZ) の形成が認められた. しかし, ABRZの厚みは, ボンディング材によって異なっていた.
ISSN:0913-1655
2185-9566
DOI:10.11297/adhesdent1983.25.197