高速液体クロマトグラフィーによる豚肉,牛肉及び鶏肉中のスピラマイシンの定量

豚肉,牛肉及び鶏肉中に残留するスピラマイシン(SPM)の高速液体クロマトグラフィー一(HPLC)による分析法を検討した.SPMはSPM-I,SPM-II及びSPM-IIIの混合物から成るため,HPLCにより3成分を単離し,質量分析(MS)により同定した.ISPM-I,-II,-IIIの分光学的性質,分子量及び生物学的作用がほぼ等しいことから,HPLCによるSPMの定量法として,SPM-I,-II,-IIIのピーク面積の総和をもって評価した.試料の前処理は0.5%メタリン酸-メタノール(7:3)で除タンパク・抽出し,ジクロロメタンを用いた液一液分配によりクリーンアップを行った.分離用カラムはNu...

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Published in分析化学 Vol. 35; no. 3; pp. 219 - 224
Main Authors 堀江, 正一, 星野, 庸二, 能勢, 憲英, 岩崎, 久夫, 志田, 保夫, 中澤, 裕之, 藤田, 昌彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 01.03.1986
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Summary:豚肉,牛肉及び鶏肉中に残留するスピラマイシン(SPM)の高速液体クロマトグラフィー一(HPLC)による分析法を検討した.SPMはSPM-I,SPM-II及びSPM-IIIの混合物から成るため,HPLCにより3成分を単離し,質量分析(MS)により同定した.ISPM-I,-II,-IIIの分光学的性質,分子量及び生物学的作用がほぼ等しいことから,HPLCによるSPMの定量法として,SPM-I,-II,-IIIのピーク面積の総和をもって評価した.試料の前処理は0.5%メタリン酸-メタノール(7:3)で除タンパク・抽出し,ジクロロメタンを用いた液一液分配によりクリーンアップを行った.分離用カラムはNucleosil 5C18,移動相はpH2.5の0.05Mリン酸-ナトリウムーアセトニトリル(72:28)を用い,232nmで検出した.豚肉,牛肉,鶏肉に対する1μg/g添加時の回収率は平均でそれぞれ91.4,88.4,91.7%であり,本法における定量限界は0.05μg/gであった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.35.3_219