アセチルベンゾイルを用いたVoges-Proskauer反応によるグアニジン誘導体の定量

Roosらはアセチルベンゾイル(phenylpropane dione)が種々のグアニジン類とVoges-Proskauer反応により呈色し,ジアセチルと同様n-プロパノールやエチレングリコールの添加により呈色が増強することを報告しているが,最適定量条件の検討は行なわれていないので著者らはこのα-ジケトンを用いクレアチン,1-メチル-1-ベンジルグアニジン,グアニジン,グリコシアミンおよびアルギニンの定量条件を検討した. 反応溶媒として8種類のアルコール類の呈色強度に及ぼす影響を検討したところ第1アルコールは置換グアニジンの呈色を妨害するのに反し,第2,第3アルコールは1-メチル-1-ベンジル...

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Published in分析化学 Vol. 22; no. 8; pp. 993 - 1000
Main Authors 西村, 民男, 今井, 利夫, 加藤, 正俊, 鈴木, 武夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 01.08.1973
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Summary:Roosらはアセチルベンゾイル(phenylpropane dione)が種々のグアニジン類とVoges-Proskauer反応により呈色し,ジアセチルと同様n-プロパノールやエチレングリコールの添加により呈色が増強することを報告しているが,最適定量条件の検討は行なわれていないので著者らはこのα-ジケトンを用いクレアチン,1-メチル-1-ベンジルグアニジン,グアニジン,グリコシアミンおよびアルギニンの定量条件を検討した. 反応溶媒として8種類のアルコール類の呈色強度に及ぼす影響を検討したところ第1アルコールは置換グアニジンの呈色を妨害するのに反し,第2,第3アルコールは1-メチル-1-ベンジルグアニジン以外のグアニジン誘導体の呈色を増強し,特にtert-ブタノールを終濃度40%に用いるとその呈色強度が1.3~2.9倍増強されることがわかった.測定感度はそれぞれ2.5μMであり,変動係数は0.3~1.0%であった. また,第1アルコールの呈色妨害機構について論じた.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.22.993