症例 Mycoplasma Pneumoniae肺炎に合併した心膜心筋炎の2例

Mycoplasma Pneumoniae感染はやく4年ごとに流行し,いくつかの合併症が報告されているが,心臓病変の合併はまれである.胸部X線上異型肺炎と診断され,心電図異常を認めた2例を経験し,臨床所見と経過を記載した.いずれも,急性肺感染症状に一致して,心電図異常,心不全,血圧低下を認めた.これらの症例は低蛋白血症, 低γ グロブリン血症を示し, 免疫機序の障害が示唆された. 症例1 において, 第6 2 病日に右室心筋生検を実施し,心筋配列異常・間質の線維化・核周囲の顆粒状物質の沈着・Pyknosisなどの心筋細胞の変性所見を得た. M.Pneumoniae感染症は予後がよいため,剖検例...

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Published in心臓 Vol. 13; no. 2; pp. 231 - 237
Main Author 中村, 嘉孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1981
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Summary:Mycoplasma Pneumoniae感染はやく4年ごとに流行し,いくつかの合併症が報告されているが,心臓病変の合併はまれである.胸部X線上異型肺炎と診断され,心電図異常を認めた2例を経験し,臨床所見と経過を記載した.いずれも,急性肺感染症状に一致して,心電図異常,心不全,血圧低下を認めた.これらの症例は低蛋白血症, 低γ グロブリン血症を示し, 免疫機序の障害が示唆された. 症例1 において, 第6 2 病日に右室心筋生検を実施し,心筋配列異常・間質の線維化・核周囲の顆粒状物質の沈着・Pyknosisなどの心筋細胞の変性所見を得た. M.Pneumoniae感染症は予後がよいため,剖検例は少なく,心筋炎の組織所見の特徴は明らかでない.組織所見についての文献的考察を行った.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.13.2_231